8月31日(日)晴れ。8月のつごもり。昨日は東京から出てきた友人と四条大橋東の「キエフ」で夕食。雨模様のため屋上のビヤガーデンから降りてきた客がフロアにあふれ、なんとも賑やかなこと。食後、店のKさんが屋上に案内してくれる。16日の大文字送り火の夜は、90名ちかい客で忙しかったとのこと。食事中はあまりの喧騒のため話ができなかったので、四条小橋の「フランソア」に場所を移して近況報告など交わす。フランソアは戦前、中井正一らが出していた週刊「土曜日」を置いていた店で、当時は京都の進歩的文化人たちの溜まり場だったそうだ。昭和初期のイタンリアンバロック風建物で、現在は国の登録有形文化財となっている。レースの衿がついたワンピース姿のウエイトレスがしとやかにサービスしてくれる。まあ、かなりレトロな喫茶店です。
友人はこの夏、ペテルブルグやグルジアを旅してきたばかり。ロシアのグルジア侵攻は彼女の帰国後のことだったそうだが、「ロシアはまだ冷戦時代の夢から醒めてないのよ。二大大国が世界をコントロールできると思っているのだから。全く、人間というものは歴史に学ばない、いや学べないものなのね。懲りないというか。誰も生れるところを選べないのだから、ひどいことだわ」。全く。日本だって戦後の驚異的経済高度成長の夢から醒めてないような気がするけど。消費は美徳とばかり生産消費に追い立てられてきたけど、もうそんな時代ではないのだもの。少子化も時代の趨勢ではないかしら。日本は成長期を過ぎて成熟期に入ったと思いたいけど、「衣食足りて礼節を知る」にはまだまだなのかなあ。
写真は昨日の夕日。嵐山と愛宕山の真ん中あたりに日が沈むところ。