11月30日(月)晴れ。この週末は、北海道からの知人を案内して京都の紅葉の名所を廻る。土曜日は朝から北野天満宮へ。一昨年の秋、境内の西側にあるお土居一帯が整備され「もみじ谷」として公開されるようになった。春の梅林と並ぶ天神さんの新名所として知られるようになったのか、午前10時過ぎに到着したとき、入口には既に長い行列ができていた。菅原道真公の歌「このたびは幣もとりあへず手向山 もみぢのにしき神のまにまに」が刻まれた大きな歌碑の前を通って、紅葉谷へ入る。史跡お土居の周りはいまが最高の紅葉。谷を流れる紙屋川の川面に赤く映えて、まさに「紅葉の錦、神のまにまに」といった風情。「京都の紅葉は繊 細ですなあ」と知人はさかんに繰り返しながらカメラを向けていた。
入場料600円にお茶・お菓子付き。出口付近の接待所で老松の三笠とほうじ茶をいただく。さすが天神さんは偉いなあ、他の神社仏閣では拝観料1000円というところも少なくないが、お茶菓子付きなんて望むべくもないのにね、と感心しきり。天神さんを出て二条駅付近に最近オープンしたイタリア料理店「カ・デル・ヴァーレ」(これが美味しかった!)で早めの昼食をとり、午後からは定番コースの嵐山へ。夕食は三条木屋町のモリタ屋ですきやき。客はビールを水のように飲み、北海道には竹がないので、嵐山の竹林がよかった、と盛んに繰り返していた。春に筍を贈る約束をして別れる。
帰りて久しぶりに●天野忠『春の帽子』(編集工房ノア)を読む。山田稔の『富士さんとわたし』に刺激されて、あれこれ古い本を書棚から引っ張り出してきた。●天野忠・松田道雄・和田洋一の鼎談『洛々春秋』(三一書房 1982年)を開きながら、これに富士正晴が加わっていたら、どんなカルテットになっていたかしらと思う。
写真上は北野天満宮のもみじ谷。下も同じ。土曜日に撮影したもの。