8月19日(木)曇り。午前中、松本へ行く。中央道は岡谷JTから伊那北までは不通が続いているが、JTから長野道へは行けるので、出かけることにした。中央道が通れないので、長野から名古屋方面へ行く車が152号線と153号線に集中しているらしい。大きなトラックが離合できなくていずれの道も大渋滞とのこと。明日の朝までに復旧してくれるといいのだが。う回路は未知の道ゆえ心配。とまれこの日は無事に岡谷を過ぎ、長野道を走る。塩尻、塩尻北をすぎれば次が松本IC。いつもお城に上り、開智小学校を見て隣の県立図書館を覗くのだが、今回はお城も図書館もなしで、古い城下町を散策することに。お城のまわりには蔵づくりの町(中町)やレトロな街並みが残る町(上土)など散策に楽しい通りがいくつも残っている。中町の駐車場に車を停めて、しばし散策。以前訪ねた民芸の店へ寄って、各地の工芸品や家具を見る。小鹿田焼や朝鮮唐津の逸品あり。しかしもうモノはいらない。旅先ではなおのこと。蔵づくりの町の景観を統一したのは20年ほど前のことだという。どの家もほどよく寂びて本物感があるのがいいのだろう。工芸の店が多いのも楽しい。ついつい覗いては長居をしてしまう。松本では毎年この時期に小沢征爾によるフェスティバルが開催されるのだが、コロナのせいで、今年もついに中止となった。ぎりぎりまで待っていたようだが、感染の広がりを無視できなかったのだろう。国内外からの演奏者たちも、全国各地からやってくる聴衆たちもさぞがっかりしたことだろう。もちろん一番残念に思っているのは地元松本ではないか。
帰途、諏訪湖のほとりにある片倉館に寄る。ここは1928年に地元の豪商片倉家が地域の福祉施設として建てた温泉浴場。とても銭湯とは思えぬ洒落た外観で、建物は現在国の重要文化財に指定されている。千人風呂と言う名があるが、実際には百人程度が入れるものだという。見ている間にも次々と地元の人たちがやってきて、中へ入っていく。「見学できますよ。ここはテルマエ・ロマエという映画のロケ地にもなった」と親切に教えてくれる人もいた。なるほど昔の財閥は富を社会に還元していたのですね。
最後の夕食はまたもやウナギ。明日帰ります、と言うと女将さんが「また来年待っていますよ」。この店は11月から4月まで休むそうだ。冬場は別荘に来る人も少ないから、と。ホテルに戻って荷造り。この涼しさともお別れかと思うと寂しくなる。高速道路の復旧が気になるが、早めに就寝。
写真上は松本市中町。中は民芸家具の店内。下は諏訪市にある片倉館。