4月27日(水)曇り。久しぶりに車で外出。用事が思ったより早くすんだので、そのまま京丹波方面へ足を伸ばしてきた。コロナ自粛で出不精になってしまい市外へ出るのは久しぶりのこと。目的がないまま京都縦貫道を北へ走る。山は眩しいほどの新緑、まだ白っぽい緑の山肌のそこかしこに紫色のフジの花が見える。白いブラシのような花をつけているのはウワミズザクラだろう。まだヤマザクラも咲き残っていて、そこだけぼーっと白く浮かびあがっている。窓から吹き込む風はもう初夏のもの。京丹波のSAで休憩し、ついでに野菜や米を購入す。ここの名物黒豆豆腐や大黒しめじも忘れずに。SAの隣にマリオット系列のホテルができていた。金髪女性が二人、テラスでコーヒーブレイク中。ツーリストだろうか、外国人を見かけるのは久しぶりのこと、それにしてもこんな所にと思ってしまったのだが・・・。
帰りて●津野海太郎『最後の読書』(新潮社)と『かれが最後に書いた本』(同)を読む。嵐山光三郎の『生きる!』(新潮社)ではないが、最近はちょっと先輩たちの本ばかり読んでいる。津野海太郎さんが『最後の読書』に、「年をとるにつれて小説というフィクションを楽しむ力が失われ、それにつれて、いつしか歴史や伝記や回想録や日記などを好んで読むようになった」と書いていたが、全く同感。いまわが座右にあるのは荷風の『断腸亭日乗』や漱石の日記、『御堂関白記』や『小右記』などの平安貴族の日記、そして芭蕉や蕪村の小文・書簡集。長く編集者として活躍した津野海太郎さんの本と人に関する話は実に面白い。交遊録が点鬼簿となっていくところ、ちょっと泣かされましたが、本が「本」であった時代のいい話がいっぱい詰まっていました。これから何度でも読み返すことになりそうです。