IMG_3401 3月9日(火)晴れ。西陣へ行った帰り、千本釈迦堂へ寄ってきた。境内のしだれ桜(阿亀桜)はまだ蕾だが、何本もある椿は満開だった。千本釈迦堂は通称で、正しくは瑞応山大報恩寺。ここの本堂は安貞元年(1227)の建立で、いまも創建当時の姿を残す市内(京洛)最古の木造建築(国宝)。応仁の乱にも焼けなかった貴重な建物だが、中におられる仏像も素晴らしい。御本尊の釈迦如来坐像をはじめ、快慶作十大弟子、定慶作六観音像など、鎌倉時代の仏像は平安のものと違うリアルさがあって力強い。ここが市内最古の木造建築だと書いたが、京IMG_3433都市内最古の建築物は伏見区にある醍醐寺の五重塔がそうだ。醍醐寺の五重塔は天暦5年(951)の創建だから、大報恩寺よりも276年も前に造られている。つまり広く京都で最古といえば醍醐寺で、京洛(平安京域)最古といえば大報恩寺ということなのだろう。洛中は度重なる火事や戦火に見舞われて、大法恩寺のように800年も前の姿を留める建築物は少ない。いまは狭い境内だが、このお堂の前に佇むと心がのびやかになる。もう2週間もすればしだれ桜が咲きだして、ここも賑やかになることだろう。
 写真は千本釈迦堂に咲いている椿と樒の花。樹の下に何匹も猫が昼寝をしておりました。下は京洛最古の建物である釈迦堂。