IMG_6113 6月28日(火)曇り。志賀直哉ではないがこの日は「網走まで」。ずっと前から気になっていた網走のモヨロ貝塚を訪ねる。モヨロ貝塚のことは北海道大学の博物館で知った。日本史でいう古墳時代から奈良時代の初めごろまで、網走に暮らしていたオホーツク人が遺した貝塚で、彼らはその後姿を消したというので一度訪ねてみたいと思っていた。モヨロ人と呼ばれる彼らは北からの渡来民族で、オホーツク文化と呼ばれる独特の文化を持っていた。その跡が貝塚や墓、住居跡として遺されている。港のそばにあるモヨロ貝塚館には復元された墓域や住IMG_6110居が展示されていて、1300年前、この地で暮らした人々の姿を想像することができた。竪穴式の住居や土器を被った死者の姿などから私は縄文文化を連想した。彼らが姿を消したのは、その後アイヌの人たちと交わっていったからではないかと思う。館の庭には真っ白な蝶が群れていて、係の人に尋ねると、エゾシロチョウといって今年は異常発生しています、とのことだった。館の近くに「金田一京助」の名を刻んだ石碑を見かけたが、通り過ぎてしまった。
網走へ行く途中、小清水という道の駅で休憩したが、ここはIMG_6073釧網本線の駅と同居していて、売店の裏がホームという造り。ルピナスが咲くホームで待っていると、釧網本線の列車が一両でやってきた。ここはまだ電化していない(鉄道好きの友人がいうところの妃殿下)ので、なんとものどか。小清水駅から十人ばかりが乗り込むと、ゆるゆると出発。釧網本線は人気があるらしく、外から見る車内は結構な人であった。
写真上はモヨロ貝塚の碑。中は異常発生しているエゾシロチョウ。下は小清水駅で見かけた釧網本線の車両。