7月28日(木)晴れ。猛暑。新聞の訃報記事で山下惣一さんが亡くなったことを知った。享年86歳とあるのを見て、自分の歳を忘れてまさかと思ってしまった。私の記憶にあるのはまだ壮年時代の姿である。山下惣一さんは佐賀県唐津市で農業を営む傍ら、小説やルポを発表、土に生きる農民の目で(韜晦気味ながら)鋭い農政批判をした。減反政策が出た時も、コメを作らないのにお金を配るとは・・と嘆いたものだが、畑仕事もしたことのない人間がきれいごとを言うと全く相手にしなかった。自分の体験をもとにした小説がTVドラマ化されたときはいささか照れていたようだったが。私が山下惣一さんを知ったのは1976年に出版された『二十三日間の中国』(六芸書房)という本で。これは山下さんが農業団体の一員として中国を視察したときの旅行記で、当時の中国は文化大革命が終わるころ。いまも覚えているのは、「中国では一日の仕事が終わった後も何かと集会があって、勉強したり、思想教育を受けたりと束縛されて大変だ。自分はとてもこんな国では生きていけない。全体主義はまっぴらだ」というようなことが書かれてあったこと。自由のない生活はごめんだ、と共感したのを覚えている。そうか、この本を読んでからもう40数年になるのだ。井上ひさしの生活者大学校で講師のようなことをしていると聞いていたが、井上ひさしさんとはよほどウマがあったのだろう。「身土不二」という言葉を教えられてから、私もできるだけ地産地消を心掛けている。『減反神社』『土と日本人』『ひこばえの歌』『村に吹く風』『いま、村は大ゆれ』など、久方ぶりに読み返してみよう。
午後、四条烏丸のくまざわ書店で本をいくつか。ここには新聞の読書欄で紹介された本が並べてあるので、新刊書を選ぶのに便利なのだ。この日は平台に編集者・本づくりに関する本がたくさん積んであった。その中から津野海太郎・宮田文久『編集の提案』(黒鳥社)と三砂慶明『本屋という仕事』を購入。あと新書をいくつか。早く家に戻って本を読みたい、後の用事は忘れて早々に帰宅しました。
写真はくまざわ書店の書棚。
午後、四条烏丸のくまざわ書店で本をいくつか。ここには新聞の読書欄で紹介された本が並べてあるので、新刊書を選ぶのに便利なのだ。この日は平台に編集者・本づくりに関する本がたくさん積んであった。その中から津野海太郎・宮田文久『編集の提案』(黒鳥社)と三砂慶明『本屋という仕事』を購入。あと新書をいくつか。早く家に戻って本を読みたい、後の用事は忘れて早々に帰宅しました。
写真はくまざわ書店の書棚。
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